情シスの効率化が失敗する5つのパターンと正しい進め方を解説

情シスの業務範囲は、年々広がり続けています。社内インフラの運用やセキュリティ対策、社員からの問い合わせ対応といった従来の役割に加えて、近年では業務改善やAI活用の推進まで担うケースも増えてきました。

その一方で、IT人材の不足という慢性的な課題は今も続いています。担当者が1人しかいない「ひとり情シス」や、他部門と兼務する「兼任情シス」も珍しくありません(参考:ひとり情シスレポート)。

こうした状況を打開しようと効率化に取り組むものの、現場では「ツールを入れたのに使われない」「仕組みを作ったのに形骸化してしまった」といった、思うように成果が出ないケースが少なくないのが実情です。

そこで本記事では、情シスの効率化でよくある失敗パターンを整理した上で、正しい進め方とツール選びのポイントを解説します。

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情シスの効率化でよくある5つの失敗パターンと正しい進め方

効率化の失敗には、いくつかの典型的なパターンがあります。まずは「どこでつまずきやすいのか」を知っておくことが、遠回りを避けるポイントです。

ここでは5つの代表的な失敗を取り上げ、それぞれ「なぜ起きるのか」と「正しい進め方」をセットで見ていきます。

  1. ツールを導入したが期待した効果が出ない
  2. FAQ・マニュアルを整備したが更新が追いつかない
  3. 導入したツールを現場に使ってもらえない
  4. 自動化に取り組んだが作業工数が減らない
  5. アウトソーシングに丸投げしてコミュニケーションコストが増大する

1.ツールを導入したが期待した効果が出ない

▼失敗例
「同じような規模・業種の他社で成果が出ていたから」「展示会で見た高機能なツールが自社の課題解決にも合いそうだったから」といった理由でツールを入れたものの、期待した効果が出ない。気づけば複数のツールが乱立し、かえって管理工数が増えていた。

こうした事態に陥る背景には、解決すべき課題が定まっていないことがあります。

情シスの業務範囲は、インフラ運用からセキュリティ、ヘルプデスク、DX推進まで非常に広く、そもそも何から手をつけるべきかが見えにくいものです。加えて、現状業務の工数を把握できていないと、どの業務に手を入れれば改善インパクトが大きいのかも判断できません。

そこへ経営層から「とりあえずDXを進めてほしい」と求められると、目的よりも先に手段が決まってしまい、ツールの導入そのものが目的化していきます。

この失敗を避ける方法は、ツール導入の前に解決すべき課題を明確にすることです。

まずは全業務をリストアップして「コア業務」と「ノンコア業務」に分類し、あわせて情シスの対応範囲を明確に線引きして全社に周知します。

そのうえで効果が出やすい業務から効率化を進めれば、担当者の負荷が下がり、生まれた余力を次の施策へと回していけるようになります。

2.FAQ・マニュアルを整備したが更新が追いつかない

▼失敗例
社内ポータルにFAQページを作り、マニュアルもPDFで共有した。最初はよく使われていたが、次第に情シスに直接聞きに来るように。加えて、更新業務が属人化し、その人が忙しくなると放置されてしまい、誰も使わなくなってしまった。

FAQやマニュアルが形骸化する根本的な原因は「ドキュメントを作ること」がゴールになってしまい、その後に更新し続ける運用フローまで設計されていないことです。

更新作業そのものが手作業だと負荷が高く、システムを変えるたびにFAQを書き直すのは現実的ではありません。さらに、マニュアルの置き場所が分散していると、どれが最新版なのかもわからなくなり「結局、人に聞いたほうが早い」という状態に逆戻りしてしまいます。

こうした形骸化を防ぐためには、ドキュメントを作る段階で「誰が・いつ更新するのか」まで決めておく必要があります。理想は、社内ドキュメントが更新されたら自動でナレッジベースにも反映される仕組みを整えることです。

あわせて情報の置き場所を一元化し「ここを見れば最新」という状態を作っておけば、形骸化のリスクは下がります。

3.導入したツールを現場に使ってもらえない

▼失敗例
・ITSMツールを入れたが、社員がチケットを切らず直接チャットや電話で聞いてくる
・IT資産管理ツールを導入しても、現場が入力ルールを守らずデータが歯抜けになる
・チャットボットを入れても回答精度が低く、社員がだんだん使わなくなる

現場がツールをルール通りに使ってくれない原因の多くは、ツールそのものよりも導入の進め方にあります。

「なぜこのツールを使うのか」という目的が共有されないまま展開されると、社員は使い慣れた方法のほうが楽だと感じ、なかなか行動を変えてくれません。さらに、ツールの使い方や運用ルールが実際の業務フローに合っていないと、ITSMツールでチケットが切られない、IT資産管理ツールに正しくデータが入らないといった状態を招きます。

だからこそ、導入前の段階で現場を巻き込み、目的をきちんと共有しておくことが大切です。また、いきなり全社展開するのではなく、スモールスタートで成功体験を作ってから広げると定着しやすくなります。運用ルールはできるだけシンプルにして、既存の業務フローに自然と組み込める形で設計しましょう。

一方で、チャットボットのように精度そのものが定着を左右するツールでは、これらに加えて、精度を継続的に高めていく仕組みまで含めて検討しておく必要があります。

4.自動化に取り組んだが作業工数が減らない

▼失敗例
現場の負担を少しでも軽くしようと、既存の手作業をそのままRPAやスクリプトで自動化しようとした。ところがエラー対応や手動介入が増え「自動化したはずなのに工数が減らない」状態に陥った。

自動化の失敗でよくあるのが、非効率な業務フローを見直さないまま、そのまま自動化してしまうケースです。

長年同じ業務を担ってきた担当者は「この申請内容なら部長承認は飛ばしてOK」「この条件のときだけ別ルートで処理する」といった例外判断を、無意識のうちにおこなっていることがよくあります。本人にとっては当たり前すぎて、業務マニュアルにも書かれていないケースも珍しくありません。

この属人化した例外判断が設計に組み込まれないまま自動化を進めてしまうと、システムはそれらを「想定外」と判断してエラーを返します。結果、エラー対応に追われ、かえって工数が増えてしまうわけです。

自動化に着手する際は、まずその業務フロー自体が本当に必要かどうかの見直しや簡素化から始めることが大切です。不要な承認ステップや重複作業を洗い出して削るだけでも、自動化の効果は格段に高まります。

定型的で例外が少なく、発生頻度の高い業務ほど、自動化の効果は出やすくなります。

5.アウトソーシングに丸投げしてコミュニケーションコストが増大する

▼失敗例
人手不足を解消しようと、情シス業務を外部に委託した。ところが委託先との引き継ぎ・仕様確認・品質チェックに想定以上の工数がかかる。結局、情シス担当者は「委託先を管理する」という新たな業務を抱えることになった。

アウトソーシングの失敗の原因はシンプルで、自動化で対応できる業務と、人が対応すべき業務を切り分けないまま、まとめて外に出してしまうことにあります。

本来は仕組みで減らせるはずの定型業務まで委託に含めてしまうため、委託範囲がふくらみ、そのぶん引き継ぎや品質チェックといった管理の手間も増えていきます

ここでも大切なのは順番です。まずは自動化で削れる業務を削り、それでも人手が必要なノンコア業務に絞って、戦略的に委託していきましょう。

専門的な判断が求められる業務や、繁忙期と閑散期の差が大きい業務は、アウトソーシングが有効な選択肢になります。一方で、問い合わせ対応のような「頻度が高く定型的な業務」は、自動化のほうが対応負荷を大きく減らせるケースが少なくありません。

委託する際は、委託範囲・対応フロー・ナレッジ共有の仕組みを事前に設計してから始めることが、コスト増を防ぐポイントです。

ここまで紹介した5つの失敗パターンを俯瞰すると、共通しているのは手段が先行しており、業務の棚卸しと優先順位づけが不足している点です。

では、棚卸しをした上で、具体的にどんなツールや手法を使えばよいのでしょうか。次のセクションで、効率化に使える打ち手の全体像を整理します。

情シスの効率化に使えるツール・手法の全体像

情シスの効率化には、課題や目的にあわせて選択肢が複数あります。ここでは、主なツール・手法を6つ紹介します。

ツール・手法主にできること
AIチャットボット社内からの問い合わせ対応を自動化
IT資産管理ツールPC・ソフトウェア・ライセンスの管理を一元化
ITSMツール問い合わせをチケット化し、対応状況を可視化
RPA・自動化ツール定型的な反復作業を自動で処理
ナレッジ管理ツールFAQ・マニュアル・手順書を一元管理
アウトソーシング自動化できない業務を外部に委託

AIチャットボット

AIチャットボットは、社内からの問い合わせ対応を自動化するツールです。「パスワードを忘れた」「VPNがつながらない」といった定番の問い合わせは、AIチャットボットが自動で回答できます。

導入の際には、仕組みによる特性の違いを把握しておく必要があります。

  • RAG型
    社内ドキュメントを読み込み、検索と生成AIを組み合わせて回答するタイプです。FAQの手動登録は不要になりますが、回答精度・用語への対応・ナレッジ更新といった面に課題が残ります。
  • AIエージェント型
    RAGに加えて、自律的な判断・学習・複数資料の横断検索ができるタイプです。曖昧な質問にも対応でき、運用しながらナレッジを育てることで、回答精度を高めていけるのが特徴です。ただし、何を読み込ませるかで精度は変わるため、回答元となる情報の整備は欠かせません。

▼代表的なツール例

  • OfficeAI社員®
  • ChatPlus
  • HiTTO

中には、RAG型とAIエージェント型を組み合わせたツールもあります。例えばOfficeAI社員®は、RAGを基盤に、AIエージェントを搭載したツールです。

RAGだけではできない、曖昧な質問へのヒアリング、回答の自己評価・修正を可能にし、回答の精度を高めました。

OfficeAI社員®は、次のような課題や制約を抱える情シスに、特に向いています。

  • 少人数で運用している情シス:既存の資料を登録するだけで始められ、ナレッジを蓄積していくほど、自社に最適化された回答に近づけられます。
  • 幅広い属性・年齢層の社員がいる組織:チャットUIで問診から横断検索までこなすため、ITリテラシーを問わず使いやすい設計です。
  • パート・アルバイトを含む現場:アカウント不要・ユーザー数無制限のため、共用端末でも利用でき、1人1端末をそろえる必要がありません。

既存ツールとの違いやコスト感は、こちらの資料でご確認ください。

IT資産管理ツール

IT資産管理ツールは、PC・ソフトウェア・ライセンスの管理を一元化し、Excel台帳からの脱却を図るツールです。棚卸し作業の自動化、ライセンスの過不足の検知、セキュリティパッチの適用状況の管理などに役立ちます

導入時には、既存環境(AD、MDMなど)との連携のしやすさや、エージェントのインストール負荷を確認しておきましょう。

▼代表的なツール例

  • LANSCOPE Cloud
  • SKYSEA Client View
  • ManageEngine

ITSM(ITサービスマネジメント)ツール

ITSM(ITサービスマネジメント)ツールは、問い合わせ対応をチケット化し、対応状況の可視化や優先度管理をおこなうツールです。属人化の防止や対応漏れの削減、ナレッジの蓄積に効果を発揮します。

導入のポイントは、現場が無理なく「チケットを切る」行動を取れるかどうかです。UI/UXの簡便さや、普段使っているチャットツールとの連携を重視して選びましょう。

▼代表的なツール例

  • ServiceNow
  • Jira Service Management
  • LMIS

RPA・自動化ツール

RPA・自動化ツールは、アカウント作成、データ連携、レポート作成といった定型的な反復業務を任せられるツールです。ただし、非効率な業務フローをそのまま自動化しても十分な効果は得られません。業務フローの見直しとセットで導入することをおすすめします。

導入する際は、例外処理が少なく頻度の高い業務から始めることが重要です。そして導入後の業務変更やシステム改修に対応できるよう、メンテナンス体制もあわせて整えておきましょう。

▼代表的なツール例

  • UiPath
  • Power Automate
  • WinActor

ナレッジ管理ツール

ナレッジ管理ツールは、FAQ・マニュアル・手順書を一元管理するためのツールです。失敗パターンでも触れたように「作って終わり」にならない更新フローの設計が成否を分けます。

選定時には、検索性、更新のしやすさ、既存ドキュメント(SharePointなど)との連携を確認しておくことが継続して活用される仕組みづくりにつながります。

▼代表的なツール例

  • Confluence
  • Notion
  • SharePoint

アウトソーシングサービス

アウトソーシングサービスは、ツールでは自動化しきれないノンコア業務を、外部に委託する選択肢です。自動化できる業務を整理したうえで委託範囲を決めると、より効果を得やすくなります

導入のポイントは、委託範囲を明確にすること、ナレッジ共有の仕組みを用意すること、そしてSLA(サービス品質の取り決め)を設計しておくことです。

▼代表的なサービス例

  • 情シスSAMURAI
  • トータルITヘルパー
  • 情シスSourcing
ツール・手法主にできること
IT資産管理ツールPC・ソフトウェア・ライセンスの管理を一元化
ITSMツール問い合わせをチケット化し、対応状況を可視化
RPA・自動化ツール定型的な反復作業を自動で処理
ナレッジ管理ツールFAQ・マニュアル・手順書を一元管理
アウトソーシング自動化できない業務を外部に委託
AIチャットボット社内からの問い合わせ対応を自動化

IT資産管理ツール

IT資産管理ツールは、PC・ソフトウェア・ライセンスの管理を一元化し、Excel台帳からの脱却を図るツールです。棚卸し作業の自動化、ライセンスの過不足の検知、セキュリティパッチの適用状況の管理などに役立ちます

導入時には、既存環境(AD、MDMなど)との連携のしやすさや、エージェントのインストール負荷を確認しておきましょう。

▼代表的なツール例

  • LANSCOPE Cloud
  • SKYSEA Client View
  • ManageEngine

ITSM(ITサービスマネジメント)ツール

ITSM(ITサービスマネジメント)ツールは、問い合わせ対応をチケット化し、対応状況の可視化や優先度管理をおこなうツールです。属人化の防止や対応漏れの削減、ナレッジの蓄積に効果を発揮します。

導入のポイントは、現場が無理なく「チケットを切る」行動を取れるかどうかです。UI/UXの簡便さや、普段使っているチャットツールとの連携を重視して選びましょう。

▼代表的なツール例

  • ServiceNow
  • Jira Service Management
  • LMIS

RPA・自動化ツール

RPA・自動化ツールは、アカウント作成、データ連携、レポート作成といった定型的な反復業務を任せられるツールです。ただし、非効率な業務フローをそのまま自動化しても十分な効果は得られません。業務フローの見直しとセットで導入することをおすすめします。

導入する際は、例外処理が少なく頻度の高い業務から始めることが重要です。そして導入後の業務変更やシステム改修に対応できるよう、メンテナンス体制もあわせて整えておきましょう。

▼代表的なツール例

  • UiPath
  • Power Automate
  • WinActor

ナレッジ管理ツール

ナレッジ管理ツールは、FAQ・マニュアル・手順書を一元管理するためのツールです。失敗パターンでも触れたように「作って終わり」にならない更新フローの設計が成否を分けます。

選定時には、検索性、更新のしやすさ、既存ドキュメント(SharePointなど)との連携を確認しておくことが継続して活用される仕組みづくりにつながります。

▼代表的なツール例

  • Confluence
  • Notion
  • SharePoint

アウトソーシングサービス

アウトソーシングサービスは、ツールでは自動化しきれないノンコア業務を、外部に委託する選択肢です。自動化できる業務を整理したうえで委託範囲を決めると、より効果を得やすくなります

導入のポイントは、委託範囲を明確にすること、ナレッジ共有の仕組みを用意すること、そしてSLA(サービス品質の取り決め)を設計しておくことです。

▼代表的なサービス例

  • 情シスSAMURAI
  • トータルITヘルパー
  • 情シスSourcing

AIチャットボット

AIチャットボットは、社内からの問い合わせ対応を自動化するツールです。「パスワードを忘れた」「VPNがつながらない」といった定番の問い合わせは、AIチャットボットが自動で回答できます。

導入の際には、仕組みによる特性の違いを把握しておく必要があります。

  • RAG型
    社内ドキュメントを読み込み、検索と生成AIを組み合わせて回答するタイプです。FAQの手動登録は不要になりますが、回答精度・用語への対応・ナレッジ更新といった面に課題が残ります。
  • AIエージェント型
    RAGに加えて、自律的な判断・学習・複数資料の横断検索ができるタイプです。曖昧な質問にも対応でき、運用しながらナレッジを育てることで、回答精度を高めていけるのが特徴です。ただし、何を読み込ませるかで精度は変わるため、回答元となる情報の整備は欠かせません。

▼代表的なツール例

  • OfficeAI社員®
  • ChatPlus
  • HiTTO

中には、RAG型とAIエージェント型を組み合わせたツールもあります。例えばOfficeAI社員®は、RAGを基盤に、AIエージェントを搭載したツールです。

RAGだけではできない、曖昧な質問へのヒアリング、回答の自己評価・修正を可能にし、回答の精度を高めました。

OfficeAI社員®は、次のような課題や制約を抱える情シスに、特に向いています。

  • 少人数で運用している情シス:既存の資料を登録するだけで始められ、ナレッジを蓄積していくほど、自社に最適化された回答に近づけられます。
  • 幅広い属性・年齢層の社員がいる組織:チャットUIで問診から横断検索までこなすため、ITリテラシーを問わず使いやすい設計です。
  • パート・アルバイトを含む現場:アカウント不要・ユーザー数無制限のため、共用端末でも利用でき、1人1端末をそろえる必要がありません。

既存ツールとの違いやコスト感は、こちらの資料でご確認ください。

情シスの効率化を進める3ステップ

ここでは、実際に効率化を進めるための3つのステップを整理します。

  1. 全業務をコア/ノンコアに分類する
  2. ノンコア業務の課題の性質を見極める
  3. インパクトの大きい業務から着手する

ステップ1.全業務をコア/ノンコアに分類する

まずは情シスの業務をすべてリストアップし、コア業務とノンコア業務に分類します。

コア業務DX推進・セキュリティ設計・インフラ計画・IT投資の意思決定など、情シスの専門性・判断が必要な業務
ノンコア業務問い合わせ対応・アカウント管理・PC棚卸し・マニュアル更新など、定型・反復が多い業務

効率化の対象は、主にノンコア業務です。コア業務は、情シスの専門性や判断があってこそ成り立つため、無理に外注・自動化すべきものではありません。

目指すべきは、ノンコア業務の負荷を減らし、そこで生まれた時間をコア業務に振り向けることです。

なお、この機会に情シスの対応範囲を全社へ明示し「ITの何でも屋」状態から脱却しておくこともあわせて意識したいポイントです。

ステップ2.ノンコア業務の課題の性質を見極める

ノンコア業務を洗い出したら、次はそれぞれの「課題の性質」を整理します。課題の性質によって、有効な打ち手は変わってくるためです。

課題の性質打ち手の方向性対応するツール例
問い合わせ対応に時間が取られている問い合わせの自動化AIチャットボット(OfficeAI社員®など)
PC・ソフトウェア・ライセンスの管理がExcel台帳で限界IT資産管理の自動化LANSCOPE Cloud、SKYSEA Client View
FAQやマニュアルが散在し、情報がどこにあるかわからないナレッジの一元化Confluence、Notion、SharePoint
定型的な繰り返し作業が多いRPA・スクリプト化Power Automate、UiPath
問い合わせ対応が属人化し、対応漏れや品質のムラがあるチケット管理の導入Jira Service Management、ServiceNow

重要なのは、課題に合った打ち手を選ぶことです。まずツールありきで考えるのではなく、何に時間を取られているのかを整理したうえで選定を進めましょう。

ステップ3.インパクトの大きい業務から着手する

課題の性質を整理できたら、効果の出やすい業務から優先的に着手します。優先度を決める際は、次の4つの軸で判断するとよいでしょう。

判断軸優先度が高い条件
頻度毎日・毎週のように繰り返し発生する
工数1件あたりの対応時間が長い、または件数が多い
定型度例外が少なく、パターン化しやすい
属人度特定の担当者に依存しており、不在時にリスクになる

棚卸しの結果によって優先順位は変わるため、最終的には自社の状況を踏まえて着手順を決めることが大切です。

ひとつの目安として、情シスが最も時間を費やしている業務には「問い合わせ・障害対応」(26.7%)が挙げられており、多くの企業で負荷の大きい業務になっていることがうかがえます。
参考:情報システムの現状とIT活用実態アンケート2025

問い合わせ対応に多くの工数を割いている企業であれば、まずここから着手するのがおすすめです。自動化と相性がよく、一次対応をチャットボットに任せるだけでも、同じ質問に何度も答える時間を大きく減らせます。結果的に、空いたリソースをIT資産管理の整備やセキュリティ強化、DX推進といった他の施策に回せるようになります。

効果を実感しやすい問い合わせ対応から、一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

情シスの効率化は、まず業務の棚卸しから

情シスの効率化がうまくいかない原因の本質は「手段先行」にあります。

最初の一歩は、業務の棚卸しです。何にどれだけの時間を取られているのかを可視化した上で、課題に合った方法を選び、自社の状況に合わせて取り組みやすい業務から順番に改善していくこと。これが遠回りに見えて、最も確実な道筋です。

自社のボトルネックを正しく把握し、インパクトの大きい業務からひとつずつ手を打っていきましょう。

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