顧客対応や社内問い合わせ対応に利用できるチャットボット。
チャットボットはさまざまなツールが提供されている一方で、自社で構築する企業も少なくありません。自社で開発することで、機能やデザインを細部までカスタマイズできるようになります。
本記事では、チャットボットを開発する方法や、開発前に必要な準備についてまとめました。開発前に知っておきたい注意点も解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
チャットボットとは?

チャットボットとは、チャット上でボットと会話するプログラムのこと。国税庁が確定申告の税務相談に導入したり、総務省が自治体の問い合わせ窓口としての導入を推進したりと、国や地方自治体などの行政機関でも導入が進んでいます。
チャットボットを導入することで得られる主なメリットは5つあります。
- 問い合わせ業務にかかるコストを削減できる
- CSや社内問い合わせ業務の負担を軽減できる
- 24時間365日問い合わせに対応できる
- ユーザーが気軽に問い合わせられる
- データの蓄積と利活用ができる
| 【合わせて読みたい】 ・チャットボットとは?AIとは違う?|チャットボットの種類や導入のメリットを紹介 |
チャットボットを自社開発する2つの方法
チャットボットを開発する方法は2つあります。
- APIを利用する
- 開発フレームワークを利用する
APIを利用する
APIは、ソフトウェアやプログラム同士をつなぐインターフェースのことです。チャットボットの開発企業が公開しているAPIを利用して構築すると、自社でそのチャットボットの機能を使えるようになります。
【主なチャットボットAPI】
- Slack
- Meta
APIについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
参考:10社のチャットボットAPIの特徴まとめ|メリット・デメリットや選び方も解説
開発フレームワークを利用する
開発フレームワークは、チャットボットを開発するために必要な骨組みのことです。「botkit」や「Microsoft Bot Framework」などの開発フレームワークがあります。
Microsoft Bot Frameworkを使えば、オープンソースのテンプレートを元にチャットボット構築が可能に。チャットボットをゼロから開発するよりも、短期間で運用を始められます。
ただし、開発フレームワークを利用して構築するには、プログラミングスキルが必須になります。
チャットボットの開発前に必要な準備
自社の課題を解決できるチャットボットを構築するためには、開発前の準備が重要です。
準備をおろそかにすると、実装後に新たなチャットボットを構築し直すことになりかねません。開発にあたって、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 目的を明確にする
- ユーザーのニーズを分析する
- 開発方法を決める
- 設置場所を決める
- 人的リソースを確保する
目的を明確にする
チャットボットを開発する目的があいまいだと「どのような種類のチャットボットを開発するか」や「どのような機能を搭載するか」が見えてきません。
- 問い合わせ対応を任せたい
- システム処理を自動化したい
- 情報発信に使いたい
など、チャットボット開発する目的を明確にしておきましょう。
| 【例:問い合わせ対応を任せる場合】 チャットボットが答えられない問い合わせが寄せられたときに、チャット上で人が対応できるようにしたいなら「有人対応切り替え機能」が必要。 |
ユーザーのニーズを分析する
チャットボットは、登録したFAQに関する問い合わせに対応できる仕組みになっています。
ユーザーのニーズを把握していないと、必要なFAQを揃えられず、ユーザーの疑問を解消できません。
問い合わせ対応に利用するなら、過去の問い合わせ履歴を分析し「ユーザーがどのような情報を求めているか」を把握しておくことが重要です。
開発方法を決める
開発方法も事前に決めておきましょう。
本記事で紹介した「API」や「開発フレームワーク」を利用する方法だけでなく、自社でゼロから構築する方法もあります。
自社での開発やメンテナンスに不安があるなら、ツールの導入も選択肢に入れておくのがおすすめです。
設置場所を決める
チャットボットを設置できるプラットフォームは、Webサイトだけではありません。「LINE」や「Slack」といったアプリ上にも設置できます。
どんなに使い勝手がいいチャットボットを開発できても、ユーザーの目に止まらなければ利用してもらえません。
例えば社内問い合わせにチャットボットを導入する場合、社員が日頃から使っているビジネスチャットに設置することで、チャットボットへの動線がスムーズになり利用率の向上が見込めます。
人的リソースを確保する
チャットボットは、開発して終わりではありません。運用中にも以下のような作業を続ける必要があります。
- FAQの追加や修正
- 不具合が発生したときの復旧作業
- 利便性を向上するためのアップデート
自社で開発する場合はメンテナンスにも専門的なスキルや知識が欠かせないため、長期的にチャットボット運用を任せられる人材を確保しておきましょう。
チャットボットを開発する手順
チャットボットを開発する手順を紹介します。
- プログラムを組むための準備として設計図を作る
- 設計図を基にプログラムを組む
- 動作確認とテスト運用をおこなう
- 本番環境で実装する
1.プログラムを組むための準備として設計図を作る
まずは、プログラムを組むための設計図を作成します。
具体的には、
- 「Aという質問が寄せられたらBと返す」という会話の流れ
- チャットボットに取り入れる機能
- デザイン
を決めていきましょう。
2.設計図を基にプログラムを組む
設計図が完成したら、システム開発に進みます。チャットボットのプログラムを組むためには、チャットボットの知識とプログラミング技術が必要です。
3.動作確認とテスト運用をおこなう
本番環境で公開する前に、日数と人数を制限したテスト運用をおこない「自社の目的を達成できるチャットボットを構築できているか」「想定通りに作動するか」を確かめます。
さらに、「FAQが足りているか」「FAQの文言はわかりやすいか」も確認し、FAQの追加・修正もおこないましょう。
4.本番環境で実装する
テスト運用で動作に問題ないことを確認できたら、本番環境で実装します。
実装後は、定期的に利用状況を分析し、足りないFAQの追加や文言の修正を継続しましょう。チャットボットを有効活用するためには、運用しながら育てていく意識が重要です。
チャットボット開発の注意点
チャットボットを自社で開発すると、機能やデザインを思い通りにカスタマイズできるというメリットがあります。
一方で、チャットボットの自社開発には注意点もあるため、開発前に確認しておきましょう。
- 導入・運用に知識やスキルが必要
- 実装までに時間がかかる
- 人件費が高くなる
導入・運用に知識やスキルが必要
繰り返しになりますが、チャットボットを自社開発するには、チャットボットの知識やプログラミングのスキルが必須です。
運用中のメンテナンスにも専門知識とスキルが必要になるため「開発した社員が退職し、メンテナンスができなくなってしまう」という問題が発生するケースも考えられます。
チャットボット運用を任せられる人材を確保しつつ、開発者や運用者が退職しても次の担当者が管理しやすいよう、マニュアル作成も進めていきましょう。
実装までに時間がかかる
チャットボットの開発は、準備から実装までに時間がかかります。
計画を立ててから実装までに、半年以上を要することも珍しくありません。テスト運用までスムーズに進んだものの、本番環境で動かしてみるとエラーが発生し、修正に時間がかかることもあります。
できるだけはやくチャットボットの運用を始めたい場合は、FAQを作成するだけでチャットボット運用を始められるツールの利用がおすすめです。
人件費が高くなる
チャットボットを自社で開発するには、専門的な知識やスキルを持つ人材が必要です。多くの企業でIT人材が不足しているため、新たな人材を確保する場合は人件費が高くなってしまう可能性も。
今は知識やスキルを持つ社員がいたとしても、退職するタイミングで新たな人材雇用や育成にコストがかかってしまいます。
チャットボットツールを導入した方が安く済むケースもあるため「コストを抑えるためにチャットボットの自社開発を検討している」という場合は、ツールも選択肢に入れておくのがおすすめです。
自社開発が難しいならチャットボットツールの利用がおすすめ
前述のデメリットからツール導入を検討している方に、チャットボットツールのメリットと選び方を紹介します。
チャットボットツールを使うメリット
チャットボットツールを使うメリットは主に3つ。
- 専門的な知識やスキルがなくても導入・運用できる
- ベンダーのサポートを受けられる
- 開発するより短期間で実装できる
ツールを使ったチャットボットの導入・運用には、専門的な知識やスキルが必要ありません。サポートが充実しているツールを選べば、FAQの作成方法や利用状況の分析方法のアドバイスも受けられます。
また、自社開発に比べると実装までの期間が短く、1ヶ月ほどで運用を始められるツールもあります。
チャットボットツールの選び方
チャットボットツールを選ぶ際は、以下の5つのポイントを押さえておきましょう。
- 種類
- 自社の課題解決に必要な機能の有無
- 費用
- サポートの有無
- 無料トライアルの有無
| 【合わせて読みたい】 ・導入前に知っておきたいチャットボットツールの選び方|導入企業の選定ポイントも紹介 |
チャットボットツールの導入事例

チャットボットの導入にツールを利用した企業の事例を紹介します。
社員からバックオフィスへの問い合わせにチャットボットを活用-帝人株式会社様
社内問い合わせ対応にチャットボットを活用している帝人株式会社様。
社内規定や手続きの情報がイントラサイトに散在していたため、社員は欲しい情報を見つけられず、バックオフィスへの電話・メールが殺到していました。その結果、バックオフィスの社員は問い合わせ対応に追われ、本来の業務が後回しになっていたのです。
チャットボットツール「OfficeBot」を導入することで、社員は欲しい情報をスムーズに見つけられるように。バックオフィスへの電話は減り、バックオフィスの社員は本来の業務に集中して取り組めるようになりました。
チャットボットの運用は、FAQのメンテナンスのみ。専門的な知識やスキルが必要ないため、運用中に困ったことは一度もないとのことです。
店舗から本社への問い合わせ対応にチャットボットを導入-島村楽器株式会社様
店舗スタッフの情報取得ツールとして、チャットボットを利用している島村楽器株式会社様。
マニュアルの情報量が膨大になり、店舗スタッフが欲しい情報を見つけられなくなっていました。店舗スタッフは本社へ電話で確認しますが、本社の業務時間外には回答が得られないため、業務が止まってしまうこともあったそうです。
数あるチャットボットツールの中からOfficeBotを選んだ理由は「導入時の手間がかからないこと」。FAQの作成と登録だけで運用を始められるため、問い合わせに追われて忙しい中でも導入できることが決め手でした。
OfficeBotを導入すると、店舗スタッフはチャットボットを使って疑問を解消できるように。チャットボットなら24時間いつでも問い合わせられるため、本社の業務時間外でも業務が止まることなくスムーズに進められるようになりました。
営業社員の応対支援ツールとしてチャットボットを導入-株式会社稲葉製作所様
営業社員が製品情報を得るためのツールとしてチャットボットを活用している、株式会社稲葉製作所様。
製品情報がマニュアルやカタログなどの複数資料に記載されていたため、社員が目当ての情報をスムーズに見つけられませんでした。そのため、お客様から製品の質問を受けた営業社員が、開発部門に電話で確認するケースが多くなっていたのです。
OfficeBotを導入すると、営業社員はチャットボットを使ってお客様からの質問に答えられるようになり、開発部門に電話することがほとんどなくなりました。アンケートでは、社員の82%が「問い合わせに対する回答スピードが上がった」と回答しました。
新入社員が製品知識を身につけるツールとしても活用でき、育成担当の工数削減につながっています。
まとめ
チャットボットは自社で開発できますが、運用中にも専門的な知識やスキルが必要になります。メンテナンスや不具合の復旧も自社でおこなうため、管理者の負担が大きくなってしまうことも。
「人材の確保に不安がある」「運用効率のよさを重視したい」という場合は、チャットボットツールをチェックしてみてください。
独自AI型チャットボットのOfficeBotなら、FAQの登録だけで応答精度の高いチャットボットの運用を始められます。専任のカスタマーサクセスが導入準備から運用まで徹底的にサポートしますので、AIやチャットボットの知識は不要です。ぜひお試しください。







