ChatGPTは多くの企業や自治体で使用され、業務効率化に大きく貢献しています。ただし、法人利用においては適切なセキュリティ対策が不可欠です。
ChatGPTには、一般ユーザー向けのプランと法人向けのプランがあります。一般ユーザー向けのプランでは、設定次第でプロンプトに入力した情報がAIモデルの学習に使用され、外部に漏れるリスクがあります。
本記事では、法人がChatGPTを安全に活用する方法をまとめました。法人向けのChatGPT搭載ツールも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
記事に載せきれなかった法人向け生成AIのタイプ別 サービス比較表

ChatGPTをセキュアな環境で法人利用する方法
ChatGPTは業務効率化を実現するための効果的なツールですが、法人利用においてはセキュリティへの対策が重要です。
一般的に「情報流出を防ぐため、プロンプトの内容をAIモデルの学習に利用しないよう設定する」「機密情報を扱わないようルールを定める」などの方法が取られます。
しかし、企業としてルールや方針を定めても、実際の設定や利用は従業員個人に委ねることになるため、必ず情報漏えいを防げるとは限りません。
そこで、企業がChatGPTをセキュアな環境で使う方法を3つ紹介します。
- 法人向けプランを契約する
- ChatGPTのAPIを使って開発する
- ChatGPTが搭載された法人向けツールを利用する
法人向けプランを契約する
ChatGPTには法人に向けたプランが2つあります。
- ChatGPT Enterprise
- ChatGPT for team
どちらも、プロンプトに入力した情報がAIモデルの学習に使われないよう設定されているため、機密情報を扱っても外部に漏れる心配はありません。
ChatGPT EnterpriseとChatGPT for teamの違いは下記の表にまとめました。
| Enterprise | for team | |
| ターゲットユーザー | 規模が大きい企業や組織 | 中小規模の企業やチーム |
| 料金 | 要問い合わせ | 月30ドル/ユーザー(年払い:月25ドル) |
| 特徴 | データの処理スピードが速く、扱えるデータ量が多い | チームでの利用を想定した機能を搭載している |
ChatGPT Enterpriseは、規模が大きい企業に向けたプランです。データの処理スピードが通常の2倍、プロンプトに入力できる文字数が通常の4倍と、一般向けプランよりもスペックが高くなっています。
また、OpenAI社のカスタマーサクセスによるサポートを受けながら導入・運用できる点も特徴です。
なお、料金は問い合わせないとわからない上、OpenAIの承認がないと利用できません。
一方、ChatGPT for teamは中小規模での利用を想定したプランです。
チーム内でChatGPTを共同で使え、チームメンバーでAIとのやり取りを閲覧できるので、情報共有を効率化できます。
また、自社のデータを読み込ませ、そのデータを使って業務に使えます。読み込ませた既存資料と同じ構成や言葉遣いで、新たな資料を作成させるというイメージです。
ChatGPTのAPIを使って開発する
ChatGPT APIを利用することで、自社専用の生成AIツールを開発できます。
APIとは、あるアプリやソフトウェアが、他のアプリやソフトウェアと連携するための窓口のようなものです。
ChatGPT APIを使うことで「ドキュメント作成ツール上で、ChatGPTを使った文章生成や校正ができるようになる」というように、他のツール上でChatGPTの機能を使えます。
ChatGPT APIでは、プロンプトに入力した情報がAIモデルの学習には使われないので、情報流出の点で安心です。
カスタマイズ次第では「自社専用のチャットボット」や「マーケティング支援ツール」として、ChatGPTを利用できます。
ただし、APIを使ったツール開発にはプログラミングの知識とスキルが欠かせません。運用時にも、不具合が発生したときの修正や機能改善の人的リソースが発生します。
なお、ChatGPT APIの利用料金は従量課金制となっており、利用するAIモデル(GPT-4やGPT-3.5など)によって異なります。GPT-4oの場合、入力が100万トークン当たり5ドル、出力が100万トークン当たり15ドルです。
ChatGPTが搭載された法人向けツールを利用する
プログラミングの知識とスキルを持つ従業員がいなくてもChatGPT APIを利用する方法として「ChatGPTが搭載された法人向けツールの利用」があります。
ChatGPTを搭載したツールが多く誕生しており、既存のツールがChatGPT搭載モデルを開発するケースも増えてきました。AIやプログラミングなどの専門知識・スキル不要で使える上、法人利用を前提としたセキュリティ対策が講じられています。
一例として、ChatGPTを搭載しているチャットボット「OfficeBot」を紹介します。
OfficeBotは、独自開発したAIとChatGPTを組み合わせることで、運用にかかる工数を削減しつつ、精度の高い応答を可能にしたツールです。
OfficeBotにマニュアルなどの資料を登録しておくと、独自開発したAIが質問に対して回答となる情報を探し、ChatGPTがわかりやすい文章を作って提示します。
情報の扱いとして「ISO/IEC27001」と「プライバシーマーク」を取得するなど、セキュリティへの対策も施しています。また、登録した情報やプロンプトに入力した情報が、ChatGPTのAIモデルの学習に使われません。
OfficeBotの詳細は下記のサイトで紹介していますので、問い合わせ対応や社内ナレッジ共有に課題を持つ企業の方は、ぜひご覧ください。
法人向けのChatGPT搭載ツールの比較ポイント
ChatGPTを安全に使う方法として、おすすめなのは法人向けのChatGPT搭載ツールの利用です。専門スキル不要で導入・運用できる上、法人向けのセキュリティ対策が講じられています。
とはいえ、ChatGPT搭載ツールは数多くあるため、ツールを選ぶ際の比較ポイントを紹介します。
- 用途
- 登録できるデータ形式
- サポートの有無
- 料金形態
用途
ChatGPT搭載ツールにはさまざまな種類があるので、まずは用途を明確にしましょう。
- 問い合わせ対応
- 文書作成
- 営業支援
- マーケティング支援
- コーディング など
自社の課題や目的を明確にして、用途に合ったツールを選ぶことが重要です。
登録できるデータ形式
ChatGPT搭載ツールの多くは、社内データを読み込ませて、そのデータを使って業務に活用できます。
社内データを読み込ませる方法は大きく2通りあります。
- ChatGPTに社内データ読み込ませて、連携ツールでそのデータを活用する
- 連携ツールに社内データを読み込ませて、ChatGPTがそのデータを扱えるようにする
どちらにせよ、登録できるデータの形式を確認しておきましょう。
例えば、OfficeBotは「.pdf」「.doc」「.docx」「.xls」などの拡張子のドキュメントを登録できます。
サポートの有無
自社でのツール導入・運用が不安な場合は、サポートの有無も確認しておきたいポイントです。
サポートの方法や内容はベンダーによって違います。
- 専任のカスタマーサクセスによる伴走
- 専用のカスタマーセンターによる問い合わせ対応
- オンラインサポート(チュートリアル動画やチャットボットによる自動対応)
有料オプションとしてサポートを提供しているケースもあるので、サポートの内容に加えて費用も確かめておきましょう。
また、導入前の事前相談ができると安心です。そのツールで自社の課題を解決できるのかや、導入時にどのような体制を整えておくべきなのかを把握できます。
料金形態
ChatGPT搭載ツールの料金は、基本的に月額制です。
料金形態としては、従量課金制と定額課金制に分けられます。また、従量課金制は、利用量に応じて料金が決まるケースと、利用するユーザー数に応じて料金が決まるケースにも分けられます。
企業規模や利用頻度によって、どの料金形態がお得かが変わるので、導入前にシミュレーションしておきましょう。
一般的には下記のように選ぶことで、費用を抑えられる可能性が高くなります。
- 多くのユーザーが毎月何度も利用する場合→定額課金制
- 会社の一部の部署やチームだけで利用する場合→従量課金制
加えて、一部の機能が有料オプションとなっているツールもあるので、トータルでいくらかかるかを計算しておきましょう。
法人向けChatGPT搭載ツール5選
ChatGPT搭載ツールを、5つの用途に分けて紹介します。
- 【問い合わせ対応・ナレッジ共有】OfficeBot
- 【営業・マーケティング】法人GAI
- 【文章生成・アイデア出し】NTTスマートコネクトの生成AIサービス
- 【コード生成・議事録作成】AIアシスタント
- 【資料作成】Copilot for Microsoft 365
【問い合わせ対応・ナレッジ共有】OfficeBot
OfficeBotは、問い合わせ対応や社内ナレッジ共有に使える生成AI搭載ツールです。
社内規定や製品マニュアルなどの既存資料を登録するだけで、社員が目当ての情報を簡単に得られます。「社内問い合わせ対応の自動化」「社員の情報収集やドキュメント検索の効率化」に効果的です。
有償のオプションとして、カスタマーサクセスチームによる導入支援を提供しています。
Web上での無料相談を実施しており「ChatGPTを社内で活用したいが、どのように使っていけばいいかわからない」といった相談にも対応していますので、ご気軽にお問い合わせください。
下記からツールの機能や使い方をまとめた資料もご覧いただけます。
【営業・マーケティング】法人GAI
出典:法人GAI
法人GAIは、法人向けのChatGPT活用プラットフォームです。
営業の事務作業を自動化する「営業GAI」や、マーケティング業務を自動化する「マーケGAI」など、用途に合わせて多様なツールを提供しています。
例えば「マーケGAI」では、市場分析、ペルソナ設定、商品紹介文作成、PRのためのコンテンツ制作などを効率化できます。
人事部門やエンジニアに向けたツールも近日リリースの予定とのことです。
【文章生成・アイデア出し】NTTスマートコネクトの生成AIサービス
出典:生成AIサービス
NTTスマートコネクトが提供する「生成AIサービス」は、文章の添削や要約、プレゼンのアイデア出しに使えるツールです。
テンプレートが豊富に用意されているため、初めて生成AIを使う人でも質の高いアウトプットを引き出せます。また、自社独自のテンプレートを自由に作成し、社内での共有が可能です。
活用コンサルティングサービスを利用すると、課題の整理や生成AI活用ガイドラインの作成を支援してもらえます。
【コード生成・議事録作成】AIアシスタント
出典:AIアシスタント
アーガイル株式会社が提供する「AIアシスタント」は、コーディングの補助や議事録作成、経営分析、契約書のリーガルチェックなど、さまざまな用途で使える万能ツールです。
業界や業務ごとのプロンプトテンプレートが用意されているので、ChatGPTに使い慣れていない人でも、品質の高いアウトプットを引き出せます。
加えて、社内向けのChatGPT活用セミナーを1回無料で開催できます。
有料オプションとしてプロンプトの制作や、AI導入のコンサルティングサービスも提供しているので、必要に応じて利用を検討してみましょう。
【資料作成】Copilot for Microsoft 365
Copilot for Microsoft 365hは、Microsoft社が提供する生成AIツールです。Microsoft 365 アプリと連携し、資料の作成やデータの整理といった業務を遂行できます。
主にできることは下記の通りです。
| Word | 文章の作成・編集・要約、翻訳グラフや表の作成 |
| Excel | 関数や数式の提案、グラフやチャートの作成、データ分析の補助 |
| PowerPoint | スライドの作成・編集、画像の添付、アニメーションの設定 |
| Outlook | メール文の作成・編集・要約、メールの整理 |
| Teams | 議事録作成、議事録の要約、フォローアップやリマインダーの提案 |
| Microsoft 365 Chat | Microsoft製品に保存されているデータを横断的に使った自動応答 |
「Excelのファイルを使ってPowerPointでスライドを作成する」というように、複数のMicrosoft 365アプリを横断した使用にも対応しています。
詳しくは下記の記事で紹介しています。
| 【合わせて読みたい】 ・Copilot for Microsoft 365とは?できることや導入方法を解説 |
まとめ
ChatGPTを法人で利用する際は、セキュリティへの対策が必須です。法人向けのプランやAPIを使い、情報流出の対応を講じましょう。
また、法人向けのプランやAPIの利用だけではなく、ChatGPTを搭載したツールの利用もおすすめです。AIの知識やプログラミングのスキル不要で導入・運用できます。
ツールの中でも特にOfficeBotの場合、既存の資料を登録するだけで、問い合わせ対応や社内情報共有のツールとして運用を始められます。
下記から詳細をまとめた資料を無料ダウンロードいただけますので、ぜひご覧ください。
記事に載せきれなかった法人向け生成AIのタイプ別 サービス比較表








