チャットボットの運用負担を減らすには?RAG型チャットボットの導入メリットとは(目的別チャットボットサービス比較表つき)

AI型チャットボットを導入しているものの、回答精度の低さや、情報の更新の手間に課題を感じていませんか?RAG型チャットボットなら、社内のFAQやマニュアルをそのまま活用でき、常に最新かつ正確な情報を提供します。

本記事では、RAG型チャットボットの特徴やメリット、導入の流れ、活用事例を詳しく解説します。

「従業員の自己解決力を高めたい」「問い合わせ対応の負担を減らしたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。

目的別チャットボット15選比較表

目的別チャットボット15選比較表

RAG型チャットボットの特徴

RAG(Retrieval Augmented Generation)とは、「検索」と「生成」の2つの機能を組み合わせた手法です。ユーザーの質問に対して関連する情報をデータベースから検索し、その検索結果をもとに生成AIが自然な文章で回答します。

RAG型チャットボットの強みは、社内データベースやFAQ、マニュアルなどの企業固有データをそのまま使える点です。質問内容に関連する情報を正確に検索し、信頼性の高い情報ソースのみを参照するため、最新かつ実務に即した回答を提供します。

従来のAIチャットボットでも、登録した複数の資料から、質問の回答を横断的に検索することは可能でした。しかし、回答は資料から抜粋した文章を提示するだけです。

RAG型チャットボットの場合は単なるデータの提示ではなく、検索で取得した情報をもとにわかりやすい文章を生成し、質問の意図に沿った丁寧な説明やスムーズな対話を実現します。

【合わせて読みたい】
RAG(検索拡張生成)とは?仕組みや生成AIとの関係性をわかりやすく解説

RAG型チャットボット導入のメリット

RAG型チャットボットなら、社内のナレッジを活用し、より正確かつ最新の情報を提供可能です。ここでは、RAG型の導入で得られる具体的なメリットを紹介します。

  • 企業独自のナレッジを活用できる
  • 導入・運用コストを大幅に削減できる
  • 顧客満足度の向上につながる
  • ハルシネーションのリスクを軽減できる
  • 常に最新情報を提供できる

企業独自のナレッジを活用できる

RAG型チャットボットは、企業が持つナレッジをそのまま役立てられるのが特徴です。社内データベースやFAQ、製品マニュアルに蓄積された情報を検索し、その内容をもとにして適切に回答します。

従来のAI型チャットボットでは、企業独自のデータを活用するために、データの収集・整理やAIの追加学習(ファインチューニングによるモデルの再学習)をおこなわなければなりません。そのため、専門知識を持つ人材の確保やデータの準備、AIの調整に多くの時間やコストがかかっていました。

一方、RAG型チャットボットは、質問のたびにデータを検索し、適切な情報を抽出して回答を生成する仕組みです。社内に蓄積された知識やノウハウをチャットボットにアップロードするだけで活用でき、特別なデータ加工やAIの追加学習をおこなう手間が省けます。

例えば、社内ヘルプデスクにRAG型チャットボットを導入すれば、従業員は必要な情報をすぐに調べられるため、業務の生産性向上につながります。

企業にとってのメリット>

  • 必要な情報を従業員自ら探せるようになり、業務をスムーズに進められる
  • 社内で発生している問い合わせが減り、担当者の負担が軽くなる
  • 社内ナレッジが共有されたことで特定の担当者に負担が集中せず、問題解決が円滑に進む

導入・運用コストを大幅に削減できる

従来のAI型チャットボットは、導入時に大量のデータを用意し、AIにあらかじめ学習させる必要がありました。また、運用中も回答精度を維持するために継続的なチューニングが欠かせず、管理の手間がかかっていました。

一方、RAG型チャットボットは、社内にあるFAQやマニュアルやデータベースをそのまま活用でき、AIモデルの再学習をおこなう必要がありません。メンテナンスの手間も最小限に抑えられます。

<企業にとってのメリット>

  • 導入・運用コストを抑えつつ、高機能なチャットボットの運用を短期間で始められる
  • 人件費の削減や従業員の生産性向上などの効果が見込める

顧客満足度の向上につながる

従来のAI型チャットボットは、ある程度の文脈を理解するものの、複雑な質問や曖昧な表現には適切に対応できず、期待した回答が得られないことが多くありました。

一方、RAG型チャットボットは、利用者の質問の「意図」を正しく捉え、会話の流れに沿った自然な回答を生成します。また、検索技術を活用し、関連情報をもとに回答を作成するため、より正確な情報を届けられるのも特徴です。

<企業にとってのメリット>

  • 特定のキーワードが含まれていない曖昧な質問や複雑な質問にも柔軟に回答できる
  • 社内固有の用語を含む質問や、複数のドキュメントにまたがる情報にも対応できる
  • より精度の高い回答が可能になり、顧客満足度の向上が期待できる

ハルシネーションのリスクを軽減できる

従来のAI型チャットボットは、学習データに誤った情報や偏った情報が含まれていると、事実と異なる回答(ハルシネーション)を生成するリスクがありました。

RAG型チャットボットは、社内のFAQや製品マニュアル、業務マニュアルなど、企業が指定した信頼性の高いデータをもとに回答を生成します。ユーザーの質問に関連する情報を都度、公式の資料やデータベースから検索するため、事実に基づいた正確な回答を得られます。

<企業にとってのメリット>

  • 正確な情報提供によって、顧客や従業員からの信頼を高められる
  • RAG型チャットボットは、ハルシネーションのリスクを抑え、企業の信頼性維持・向上に貢献する

常に最新情報を提供できる

従来のAI型チャットボットは、過去に学習したデータに基づいて回答を生成するため、最新の情報や頻繁に更新される情報には対応できませんでした。

RAG型チャットボットは、情報をリアルタイムで検索し回答を生成する仕組みのため、指定したデータを更新するだけで常に最新の情報に基づいた正確な回答を得られます

<企業にとってのメリット>

  • 問い合わせ対応の精度が向上し、顧客満足度の向上につながる
  • 新製品の情報やキャンペーン情報、在庫状況などをリアルタイムで提供するため、機会損失を防ぎ、売上アップにつながる
【合わせて読みたい】
どの種類のチャットボットを選ぶ?AIの有無や機能別での特徴や選び方を解説

RAG型チャットボットの導入の流れ

RAG型チャットボットを導入する方法は「自社開発」と「外部サービスの利用」の2つです。

自社開発では、自社でRAGモデルを構築し、チャットボットを開発します。カスタマイズ性の高さが強みですが、高度な専門知識や技術が求められ、開発には時間がかかります。また、導入後も継続的な運用やメンテナンスが欠かせません。

外部サービスを利用する場合は、RAGモデルが組み込まれた既存のチャットボットを活用します。独自でシステムを開発せずに済むため、専門知識がなくてもRAG型チャットボットをスムーズに導入できます。

また、既存のFAQやマニュアルを登録するだけで運用を開始でき、AIの再学習や継続的なチューニングが不要です。低コストで導入できるうえ、運用の負担も軽減されます。特に、専門人材の確保が難しい、コストを抑えたい、すぐに導入して効果を得たいといった企業におすすめです。

<外部サービスのメリット>

メリット内容
専門知識が不要RAGモデルの開発やAIの専門知識がなくても、簡単に導入・運用が可能
低コスト自社開発に比べて、初期費用や運用コストを大幅に抑えられる
迅速な導入サービスを契約後、データを連携するだけですぐに使い始められる
運用が簡単データの更新も簡単。例えば、製品情報を更新した場合、最新の製品データをアップロードするだけで、チャットボットの回答に反映される

ここでは、RAG型チャットボットの導入方法のうち、外部サービスを利用するケースに焦点を当て、具体的な手順を紹介します。

ステップ1. サービスを選定する

RAG型チャットボットを導入する際、まずはどのような課題を解決したいのかを明確にしましょう。例えば、問い合わせ対応の効率化や顧客満足度の向上、社内ナレッジの共有促進が挙げられます。

次に、チャットボットをどの業務で活用するのかを決めます。カスタマーサポート、社内ヘルプデスク、営業支援など、実際の業務に当てはめることで、導入に欠かせない機能や求める性能がより具体的になるでしょう。

最後に、複数のサービスを比較し、自社の目的や業務に最適なものを選びます。

<サービスのチェックポイント>

ポイント内容
機能性チャットボットが自社のデータベース(社内FAQ、ナレッジ管理ツール、製品マニュアルなど)や、外部サービス(CRMやチャットツールなど)とスムーズに連携できるか
使いやすさ専門知識がなくても、簡単に導入・運用が可能か
サポート導入後の支援があるか
費用初期費用や月額費用が予算内に収まるか

「チャットボット導入チェックリスト」を使えば、自社の課題を整理でき、RAG型チャットボットによる解決策が明確になります。ぜひ下記からダウンロードしてご覧ください。

ステップ2. データを登録する

チャットボットに連携させたいデータ(社内ドキュメント、マニュアルなど)を準備します。データが最新の状態に保たれているか、表記揺れや誤字脱字がないかなど、事前に確認しておくとより正確な回答が得られます。

ステップ3. テスト運用で回答精度を向上させる

運用開始前に、チャットボットから正しい回答が返ってくるか、さまざまな質問でテストを実施しましょう。期待通りの回答が得られない場合は、データソースを追加したり、表現を修正したりするなど、調整をおこないます。

ステップ4. 効果を測定し継続的に改善する

RAG型チャットボットの運用開始後は定期的に効果測定をおこない、問い合わせ削減率や回答精度を評価します。継続的にデータソースを更新し、情報の鮮度を維持することで、チャットボットの価値を長期的に保てます。

RAG型チャットボットの活用事例

ここでは、実際にRAG型チャットボットを導入し、成果を上げた企業の事例を紹介します。

  • チャットボットで社員の自己解決力向上
  • チャットボットで業務効率化

チャットボットで社員の自己解決力向上|ゲンキー株式会社

店舗スタッフから本部への問い合わせが多く、対応に追われる日々が続いていたドラッグストアチェーンのゲンキー株式会社。業務負担を軽減するためにFAQやマニュアルを整備したものの、情報が見つけにくいことから十分に活用されず、問い合わせ件数の削減にはつながりませんでした。

本部の負担を軽減し、業務の効率化を図るため、同社はRAG型チャットボットを導入。既存のFAQやマニュアルをそのまま活かせるため、メンテナンスの負担を抑えながら、知りたい情報をすぐに検索・取得できるようになりました。

導入後は、店舗スタッフが本部を介さずに必要な情報を得られるようになり、問い合わせ件数が大幅に減少。本部の業務負担も軽くなり、事業拡大に向けた取り組みをよりスピーディーに進められるようになりました。

チャットボットで業務効率化|株式会社日清製粉グループ本社

FAQ型チャットボットを導入し、バックオフィス業務の効率化を進めてきた株式会社日清製粉グループ本社。ワークフロー管理や生産管理、情報システム部門では、問い合わせ対応の負担が依然として大きく、業務改善が必要でした。

特に、FAQの作成や回答の精度向上には多くの時間を要し、運用担当者の負担が増加。従来のシステムでは対応できない質問が生じるたびに、新しい質問文と回答文を作成し、改善を繰り返さなければならず、業務の負担が増え続けていました。

RAG型チャットボットを導入したことで、運用担当者はFAQの作成作業から解放され、問い合わせ対応の時間も短縮。スタッフは知りたい情報をすぐに得られるようになり、業務の効率がさらに向上しました。さらに、デジタル化案件に集中して取り組める環境が整い、バックオフィス全体の生産性向上につながっています。

日清製粉グループ本社の導入事例を詳しく知りたい方は下記からダウンロードしてご覧ください。

まとめ

RAG型チャットボットは、企業独自のナレッジを活用し、正確で最新の情報を提供する画期的なツールです。専用のサービスを使えば、チャットボットの導入・運用コストを抑えながら、問い合わせ対応の効率化や業務の改善に効果を発揮します。

社内の情報共有や業務効率化に課題を感じている場合、RAG型チャットボットの導入をぜひ検討してみてください。今回紹介した導入の流れや事例を参考に、自社に適した活用方法を検討してみてはいかがでしょうか。

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