生成AIで変わる自治体業務!FAQシステム導入で住民サービスと業務効率を同時に改善

少子高齢化や人口減少が進む中、自治体が抱える課題はますます複雑化しています。税収の減少に加え、老朽化するインフラの維持や増え続ける空き家への対応など、職員の負担は増える一方です。自治体戦略2040構想研究会の報告では、2040年までに自治体職員の数が現在の半分に減ると予測されています。

このような状況下で、効率的な行政運営を実現するためには、新しいツールや仕組みの導入が急務となっています。そこで、注目を集めているのが生成AIを活用したFAQシステムです。

本記事では、自治体が抱える課題を踏まえ、FAQシステムがもたらす具体的なメリット、導入時の注意点、さらに成功事例までを詳しく解説します。効率的な行政運営を目指す自治体職員の方に、実践的なヒントをお届けします。

社内データと対話する生成AI 法人向けRAG「OfficeBot」

自治体の課題を解決するFAQシステムとは?

自治体では、課題が複雑化し業務量が増える一方で、人件費の削減や職員数の減少という問題に直面しています。この状況下で、限られたリソースの中でもコア業務に集中できる時間を確保するには、FAQシステムを活用した業務の自動化が効果的です。

FAQシステムは、自治体の課題やニーズに応じて3つのタイプから選べます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

1.従来型FAQシステム

従来型FAQシステムは、事前に登録した質問と回答(Q&A)をもとに、住民からの問い合わせに対応する仕組みです。このシステムを導入することで、住民は申請手続きや必要書類について、オンラインで24時間いつでも確認できるようになります。窓口や電話での対応が減るため、職員の負担軽減につながります。

ただし、住民に正確な情報を届けるには、問い合わせ頻度の高い質問の整理や、対応する回答の作成が必須です。また、自治体の制度が変更されるたびに、新しい情報を追加したり、既存の回答を見直したりする定期的な更新作業が求められます。

2.生成AI型FAQシステム

生成AI型FAQシステムは、LLM(大規模言語モデル)を活用して住民の質問を分析し、最適な回答を自動で生成する仕組みです。従来型FAQシステムとは異なり、すべての質問に対して個別の回答を準備する必要がないため、回答作成や更新作業にかかる職員の負担を大幅に軽減できます。

ただし、事前にLLMに学習させたデータが回答の基盤となるため、制度変更や新しい情報が発生するたびに追加の学習作業が必須です。また、想定外の質問には回答精度が低下してしまうといった課題があります。

3.生成AI×RAG型FAQシステム

生成AI型とRAG(Retrieval Augmented Generation)を組み合わせたFAQシステムは、住民から寄せられる幅広い質問に対応できる仕組みです。RAGは、自治体が保有するマニュアルや過去の問い合わせ履歴などの登録された情報をもとに、質問に対する答えをリアルタイムで検索・生成します。LLMに事前学習をさせる手間がなく、最新の情報や予想外の質問にもスムーズに対応できるのが魅力です。

生成AI×RAG型FAQシステムを導入すれば、窓口や電話対応にかかる時間を短縮でき、職員が他の重要な業務に集中する余裕が生まれるため、自治体全体の業務効率が大幅に改善されるのです。

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FAQシステムが自治体にもたらす3つのメリット

住民サービスを向上させ、職員の負担を軽減する方法として、FAQシステムが活用されています。ここでは、FAQシステムがもたらす3つの主なメリットを詳しく解説します。

  1. 住民サービスの向上
  2. 職員の負担軽減
  3. 職員間の情報共有の効率化

メリット1. 住民サービスの向上

自治体では、窓口や電話に住民からの問い合わせが集中し、対応に時間がかかるケースが多く見られます。特に営業時間外には対応ができず、住民が知りたい情報を得るまで待たされる場合もあります。このような状況が続くと、住民の不満が高まり、自治体への信頼を損ねる結果になりかねません。

FAQシステムを導入すれば、24時間365日自動で情報提供ができるようになるため、住民は営業時間を気にすることなく、申請手続きや必要書類に関する情報をいつでも簡単に確認できます。また、窓口や電話を介さず、プライバシーにかかわる内容や他人に知られたくない質問も安心して問い合わせできるのが大きなメリットです。さらに、回答が統一されるため、担当者によって返答が異なる心配もありません。

生成AI型のFAQシステムを導入すれば、住民からの質問内容が曖昧だったり、独特な表現が使われていたりしても、その意味を正確に理解し、適切な回答を自動で生成します。住民の言語能力やリテラシーに関係なく、誰でも簡単に利用できる点も魅力です。

また、公的文書といった専門用語が多く理解が難しい資料であっても、わかりやすい情報に変換して提供するため、住民は求めている情報をスムーズに理解できます。

メリット2. 職員の負担軽減

職員が問い合わせ対応に多くの時間を取られる状況では、本来注力すべき重要な業務に十分な時間を割けません。特に、住民からの定型的な質問への繰り返し対応が続くと、業務の効率が下がり、職員の負担がさらに増大するおそれがあります。

FAQシステムを導入すれば、定型的な質問への回答を自動化する仕組みを構築できます。このシステムにより、電話や窓口への問い合わせ件数が減少し、対応にかかる時間が大幅に削減され、職員は重要な業務に集中できる環境が整うのです。

また、住民からの問い合わせが増えてきたとしてもログを確認することで、住民が何を求めているのかをチェックできる点も便利です。

さらに、業務負担の軽減は職員のストレス緩和にもつながります。職場環境が改善されれば、職員のモチベーションが向上し、自治体全体の業務効率も大幅に向上します。

メリット3. 職員間の情報共有の効率化

庁内の情報が各部署に分散していると、職員は資料や業務手順を確認するため他部署に問い合わせをしなければなりません。回答を求める職員も対応する職員も時間を取られ、庁内全体の業務効率が低下してしまいます。こうした状況が続くと、自治体全体の生産性にも影響を及ぼしかねません。

FAQシステムがあれば庁内の情報を一元管理でき、職員は必要な情報をすぐに検索・利用できるようになります。例えば、申請手続きのフローや、過去の対応履歴をFAQに登録すれば、情報を探す手間が省けるだけでなく、部署間での重複した問い合わせも減少します。

さらに、FAQシステムをナレッジベースとして活用することで、職員全員が最新の業務情報にいつでもアクセスできるようになり、共通の情報をもとに業務を進めることが可能です。これにより、情報の食い違いが解消され、職員間の連携もスムーズになります。FAQシステムは職員の重複作業や対応ミスを未然に防ぎ、自治体全体の業務効率を大幅に向上させる効果もあります。

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自治体がFAQシステムを選ぶときのポイント

自治体にFAQシステムの導入が進むにつれ、選定を誤ったために運用負担が増えたり、期待した効果が得られなかったりする失敗例も見られるようになりました。FAQシステムは自治体の業務効率化と住民サービスの向上に欠かせないツールですが、適切な選定が大切です。

こうした問題を防ぐために、以下の3つのポイントを重視しましょう。

  1. 職員が簡単に操作できるか
  2. 住民が使いやすい仕組みになっているか
  3. チャットボットとの連携が可能か

職員が簡単に操作できるか

FAQシステムを選ぶ際、操作性の簡便さは最優先事項です。自治体職員が直感的に操作でき、ITに慣れていない人でも簡単に理解できるシステムであれば、導入後の運用負担を軽減できます。

また、システムが対応するドキュメント形式も選定における重要なポイントです。「.pdf」「.pptx」「.docx」「.xlsx」など、さまざまな形式のデータをそのまま登録できるシステムであれば、既存の資料を再編集したり形式を変換したりする手間がかかりません。システムへの情報の投入がスムーズに進み、初期導入時の準備にかかる時間と労力を大幅に削減できます。加えて、既存のデータを活用できるため、情報の網羅性と正確性も保ちやすくなります。

さらに、システム提供会社による導入サポートやオンライン研修の有無も確認しましょう。導入サポートがあれば、初期設定や操作方法を丁寧に説明してもらえるため、システムの利用開始時に生じる混乱や業務の停滞を防げます。オンライン研修では、具体的な手順を実演を通して確認でき、職員が安心してシステムを活用できます。

住民が使いやすい仕組みになっているか

FAQシステムは、住民が迷うことなく必要な情報にアクセスできる仕組みでなければなりません。検索機能が複雑だったり、ページ構成がわかりにくかったりすると、住民はシステムを活用しなくなり、窓口や電話への問い合わせが減らない原因になります。

住民目線に立ち、検索窓の配置やカテゴリ分けが直感的に理解できるかを確認しましょう。また、探している情報にたどり着くまでのクリック数が少ない構造にすると、使いやすさが向上します。このような配慮が住民満足度を高め、結果として自治体の業務負担軽減にもつながるのです。

チャットボットとの連携が可能か

FAQシステムがチャットボットと連携していると、問い合わせ対応の幅がさらに広がります。従来型のFAQシステムは登録された回答をそのまま提示する仕組みが一般的ですが、生成AIを搭載したチャットボットであれば、住民の質問に応じた柔軟な回答を自動生成が可能です。

例えば、「OfficeBot」のような生成AI搭載型チャットボットでは、既存のマニュアルや説明書を登録するだけで、質問内容に応じた適切な回答を自動生成できます。新たにFAQを作成する手間を省け、運用負担を大幅に軽減できます。FAQシステムとチャットボットを連携させれば、自治体は業務効率の向上と住民サービスの質の向上を同時に実現できるでしょう。

自治体へのFAQシステム導入における3つの課題と解決策

FAQシステムは自治体業務の効率化と住民サービス向上を支える重要なツールですが、導入にはいくつかの課題が伴います。ここでは、自治体が直面する3つの課題と解決策を紹介します。

  1. 導入コストがかかる
  2. データベースの構築に膨大な時間がかかる
  3. 運用後のデータ更新が負担になる

課題1. 導入コストがかかる

FAQシステム導入には多額のコストがかかります。小規模な自治体や財政的に余裕のない自治体にとって、多額な初期費用はシステム導入への大きな障壁です。

<解決策>

総務省が提供する「デジタル田園都市国家構想交付金制度」を活用することで、費用の一部を国に補助してもらえます。これは、デジタル技術を活用して地域課題を解決する自治体を支援する制度です。

申請するには「事業の自立性」「官民協働」「地域間連携」など、7つの要件を満たさなければなりません。条件をクリアすれば、自治体は初期費用を軽減でき、導入のハードルを大幅に下げられます。

出典:デジタル田園都市国家構想交付金について

課題2. データベースの構築に膨大な時間がかかる

FAQシステムの導入を成功させるためには、住民や職員が求めている情報を網羅したデータベースの構築が欠かせません。データベースに正しい情報を登録していないと、FAQシステムが提供する内容の信頼性が損なわれ、住民や職員から利用されなくなってしまうでしょう。

しかし、問い合わせ履歴や庁内マニュアルを整理し、使いやすい形で登録する作業には膨大な時間と労力がかかります。加えて、データの精度を維持するためには定期的な更新・修正が必須ですが、こうした作業が煩雑になると、長期運用が困難になるリスクもあります。

この課題を解決するために有効な方法として、RAG技術の活用が注目されています。

<RAGによる解決策>

1.既存資料の活用

RAG技術を導入すると、自治体が保有する手続きマニュアルや問い合わせデータをシステムに登録するだけで、RAGが関連情報を自動検索し、回答候補を生成します。

2.関連情報の自動検索

RAGはシステム内のデータベースだけでなく、外部データや補足情報も活用し、質問に最適な回答を導き出します。自動検索の仕組みにより、FAQシステムの内容を常に最新かつ網羅的な状態に維持できます。

3.回答生成の効率化

登録済みの情報を基にAIが自動で回答を生成するため、従来のように手作業で回答を作成する手間を省けます。

課題3. 運用後のデータ更新が負担になる

FAQシステムは導入後の運用が重要です。システムの品質を維持するためには定期的なデータ更新が不可欠ですが、忙しい職員にとって更新作業は大きな負担です。データが古いままだと、住民や職員からの信頼を損なうリスクが高まります。

<RAGによる解決策>

1.自動更新で職員の負担を軽減

RAGに新しい情報を登録するだけで、自動的にデータを最新状態に更新します。手動でおこなう作業が大幅に減り、職員の負担を軽減できます。

2.利用状況の分析と改善提案

FAQシステムの利用状況を定期的に分析し、改善点を提案してくれるサービスを活用すれば、職員の労力を最小限に抑えながら、システムの品質を高く維持できます。

自治体へのFAQシステム導入の4つのステップ

「FAQシステムを導入したいけれど、何から始めたらいいかわからない」このような悩みを抱える自治体も多いのではないでしょうか。スムーズな導入と運用には、適切な準備が不可欠です。ここでは、自治体がFAQシステムを効果的に導入するための4つのステップを紹介します。

  1. ニーズを明確にする
  2. ツールを選定する
  3. 仮導入する
  4. 使いながら改善する

ステップ1. ニーズを明確にする

FAQシステムの導入を成功させるためには、最初に自治体が抱える課題を具体的に把握し、解決すべき優先事項を整理します。次の点を分析し、導入の方向性を明確にしましょう。

  • 問い合わせの量と内容
  • 季節や時期による問い合わせの偏り
  • 多言語対応の必要性
  • 住民や職員など、ユーザー属性の特性
  • 管理部署の運用体制

整理した情報を基に、解決したい課題の優先順位を決めれば、システム選定の指針が明確になります。

ステップ2.ツールを選定する

次に、明確になったニーズに基づき、適切なツールを選びます。以下の条件を洗い出し、自治体の規模や問い合わせの種類に最適なシステムを絞り込みましょう。

  • 対応する問い合わせの種類や頻度
  • 予算やコストの上限
  • システムの操作性や職員への負担度
  • 提供会社のサポート体制

また、従来型のFAQシステムとAIを活用したFAQシステムのどちらが適しているかを比較検討します。AI活用型は効率性が高い一方、シンプルなニーズには従来型が適している場合もあります。

候補を絞ったら、提供会社に問い合わせて詳細を確認しましょう。初期費用だけでなく、運用コストやメンテナンス費用も含めた長期的なコストまで考慮するのがポイントです。

ステップ3. 仮導入する

本格導入に先立ち、職員や一部住民を対象にテスト運用をおこない、システムの有効性を確認します。この段階で次のポイントを検討しましょう。

  • よくある質問を網羅したデータベースの整備
  • FAQシステムの使いやすさ(住民・職員双方の視点から検証)
  • 提供会社のサポートを活用し、導入初期のトラブルを防ぐ

テスト運用中に、利用状況やフィードバックを収集し、改善点を洗い出します。特に、初期段階でFAQデータを充実させられれば、住民や職員にとって使いやすいシステムになります。

ステップ4. 使いながら改善する

FAQシステムは導入したら終わりではなく、使いながら改善を続けることで効果を最大限に発揮します。以下の取り組みを継続的におこないましょう。

  • FAQシステムの利用を広報誌や掲示物で住民に周知
  • ログ解析や住民からのフィードバックを基に、不足する情報を追加
  • 定期的に運用状況を見直し、システムの質を向上

改善を重ねると自治体にとって使いやすいシステムが構築されるだけでなく、住民からの信頼も向上します。長期的な視点で運用を続けられれば、FAQシステムの効果をさらに高められます。

自治体のFAQシステム成功事例|京都市で問い合わせ対応が効率化

ここでは、京都市の障害保健福祉推進室がFAQシステム「OfficeBot」を導入し、問い合わせ対応の効率化に成功した事例を紹介します。

<導入の背景>

京都市の障害保健福祉推進室では、繁忙期になると1日最大200件もの問い合わせが寄せられ、その半数以上が事業者からのものでした。職員数に限りがあるため、迅速な対応が難しく、問い合わせが集中するたびに処理が遅れるといった課題を抱えていたのです。

この状況を打開するため、京都市は高精度な回答と使いやすさが特長の生成AIチャットボット「OfficeBot」を導入しました。このシステムは、文脈を理解して的確な回答を提供するだけでなく、利用者のITリテラシーに依存しない設計、多言語対応、さらには質問ログを活用したサービス改善の仕組みを備えています。OfficeBotは機能が評価され、公募型プロポーザルで採用されました。

<導入後の効果>

OfficeBotの導入によって、事業者は24時間365日、待ち時間なしで必要な情報を取得できるようになりました。この結果、問い合わせ対応の効率が飛躍的に向上し、職員の業務負担が軽減されています。また、チャットボットが定型的な質問に対応するため、職員は本来注力すべき業務に集中する余裕を確保できました。

さらに、対応スピードが向上しただけでなく、利用者満足度の向上にもつながりました。住民や事業者からの信頼を得られ、市民サービス全体の質を高めることにも成功しています。

京都市の事例は、AIを活用したFAQシステムが自治体業務を効率化し、住民サービスを向上させる可能性を示しています。住民からの問い合わせ対応に課題を感じている自治体は、この事例を参考に検討を進めてはいかがでしょうか?

まとめ| FAQシステムで自治体運営をスマートに

FAQシステムは、自治体が抱えるさまざまな課題を解決し、業務効率化と住民サービスの向上を同時に実現する強力なツールです。住民が求めている情報を迅速に取得できる環境を整えられれば、住民満足度が向上するだけでなく、職員の業務負担の削減にもつながります。

ただし、適切なFAQシステムを導入するためには、導入の目的やニーズを明確にしてからツールを選定しましょう。導入後も改善を重ね、システムの効果を維持することが重要です。

これからFAQシステムの導入を検討される方は、ぜひ本記事の内容を参考にして、適切なシステムの選定と導入を進めてください。住民と職員の双方にとってより良い環境を構築し、効率的な自治体運営をおこないましょう。

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