人手不足や働き方の多様化が進むなか、受付業務の在り方を見直す企業が増えています。
従来のように常時スタッフを配置する運用が難しくなる一方、受付対応の品質やセキュリティ管理は維持しなければなりません。
こうした課題を解決する手段として、近年注目されているのが「AI受付」です。
本記事では、AI受付が注目される背景やできること、導入メリット、実際の導入事例などを解説します。AI受付システムを選ぶポイントも紹介しますので、最後までお読みください。
AI受付とは?|AIが自動でおこなう受付システム
AI受付とは、来訪者の対応や担当者への取り次ぎ、入館管理などをAIが自動でおこなう受付システムです。まずは、AI受付が注目される背景とAI受付システムができることについて紹介します。
- AI受付が注目される背景
- AI受付システムができること
AI受付が注目される背景
人手不足の深刻化により、受付に常時スタッフを置けない企業が増え、人件費を抑えながら受付業務を維持できるAI受付へのニーズが高まっています。
こうした状況に加え、リモートワークやフレックス勤務の普及もこの流れを後押ししています。決まった受付担当者を置きづらくなり、担当者が不在でも、来訪者を待たせずに受付できる仕組みが必要になりました。
また、近年では来訪者情報をデジタルで管理したいニーズが増えており、セキュリティ強化とコンプライアンス対策のため、入館履歴管理の自動化が求められています。
AI受付は、以下のような現場で導入が進んでいます。
- オフィス受付
- 病院・クリニック受付
- 商業施設受付
- 公共施設
非対面で受付が完結するケースも多く、衛生面への配慮という観点からも注目されているシステムです。
AI受付システムができること
AI受付は「タブレット型」と「アバター型」の2種類があり、設置場所や訪問客の属性に合わせて選ばれるケースが一般的です。
AI受付に任せられる主な業務は、以下のとおりです。
- 来訪者の受付
- 担当者への通知・呼び出し
- 入館履歴のデジタル管理
- 多言語対応
AI受付は、音声入力や、QRコード、顔認証などを用いて来訪者を自動識別も可能です。チャットや電話、内線、メールなどを通じて担当者への即時通知もできるため、一次対応の手間を大幅に削減できます。
一方、来訪者も台帳や紙の記入が不要になることで、受付時のストレスが軽減されます。
企業側は来客記録を自動で登録でき、受付業務全体の管理工数削減につながります。
また、製品によっては翻訳機能を備えており、多言語対応スタッフが不在でもスムーズな案内が可能です。
AIに受付業務を任せる3つのメリット
AIに受付業務を任せるメリットは、以下の3点です。
- 人手不足の解消
- 顧客対応力の向上
- コストの削減
1.人手不足の解消
近年、テレワークが定着したことにより、受付に人を置き続ける体制が現実的でなくなっています。人手不足が続く中、受付業務そのものを見直す企業が増えています。
AI受付を導入すれば、受付業務のための常時配置が不要になり、コア業務への人材の再配置が可能に。入館管理も自動化できるため、業務負荷を減らしながらセキュリティ強化も図れます。
また、AI受付なら従業員の急な欠勤や休暇にも左右されません。
特定の担当者に依存しない運用が可能になることで「休みづらい」「代わりがいない」といった属人化の課題を解消でき、従業員の働きやすさ改善にもつながります。
加えて、AIが来客の名刺を読み取って案内する技術や顔認証システムと連携していれば、名前の聞き取りミスによるたらい回しがなくなるなど、来客に対しても、受付品質を均一化できます。
人と人の直接対応が減るため、受付でのハラスメント対策につながると同時に、対応のばらつきを抑えた安定運用が可能です。
2.顧客対応力の向上
従来の受付業務では「受付→該当部署への内線→担当者への取り次ぎ→担当者へ来客を通知」という複数のプロセスが発生し、来訪者を待たせてしまうケースも少なくありませんでした。
AI受付を導入すれば、こうした工程を簡略化し、担当者へ直接通知できます。
来訪者の待ち時間も短縮できるため、繁忙時間帯や来客が集中するシーンでも、安定した対応が可能になります。
また、受付業務が標準化されることで、聞き間違いや伝達ミスといったヒューマンエラーを抑制。受付データを蓄積・分析することで、来客傾向の把握や業務改善に活用することも可能です。
担当者が不在の場合でも、スマートフォンやSlack、Teamsなどへ即時通知できるため、対応が滞りにくくなります。来訪者を受付で長時間待たせてしまうリスクの低減につながります。
さらに、音声入力やQRコード、顔認証など複数の受付手段に対応している製品であれば、来訪者は自分のペースで受付を進められます。人の案内を待つ必要がなく、受付時のストレス軽減にも効果的です。
製品によっては、英語や中国語などに自動で切り替えられる多言語対応機能を備えており、受付スタッフが多言語対応できない場合でも、顧客体験の質を維持できます。
3.コストの削減
AI受付を導入することで、受付業務のために人材を常時配置する必要がなくなり、人件費の負担を抑えやすくなります。
人件費は固定費化しやすく、需要変動に応じた調整が難しいという特徴があります。
その点、AI受付システムは月額課金型のサービスが多いため、運用規模に応じてコストを調整しやすい点は大きなメリットです。
来訪者が少ない期間の運用コストを最小化しながら経営リスクを軽減できる上、24時間365日対応により、無人運用が拡大します。
入館記録の管理や紙の保管が不要になるため、備品コストの削減だけでなく、管理にかかる人的工数も削減可能です。
加えて、ミニマムな設備での運用により受付スペースを縮小しながら、オフィスコストを削減しつつ、スペース効率の向上も実現できます。
AI受付システムの導入事例
実際にAI受付システムを導入した「新橋トラストクリニック」と「川田建設株式会社」の事例を紹介します。
スタッフの負担軽減とサービス向上を実現|新橋トラストクリニック
1つ目は、定型対応の自動化により受付混雑を解消し、スタッフがコア業務に集中できる環境を実現した「新橋トラストクリニック」の事例を紹介します。
同クリニックでは、利便性の高さと診療内容の幅広さから来院数が多く、受付業務が常に混雑していました。スタッフは受付だけでなく、電話応対や事務処理などを並行して対応しており、特に定型的な問い合わせ対応が大きな負担になっていました。
業務負担の軽減を目的に、同クリニックはAIさくらさんを導入しました。
AI受付でデジタルサイネージによる受付案内・自動応答・患者対応を任せたところ、自然な対話による来客案内を実現。導入からわずか2週間で250件以上の対応を実施し、約8時間分の作業を代行しました。さらに、年間では約6,000件以上、約200時間の業務削減が見込まれています。
AIさくらさんが受付業務をカバーすることで、スタッフはより付加価値の高い業務に集中できるようになりました。
受付業務の省力化・非接触対応・合理化を実現|川田建設株式会社
2つ目は、顔認証×ロボット受付で人手をゼロ化し、来訪対応の効率化と企業イメージの向上を実現した川田建設株式会社の事例を紹介します。
建築業界では特に働き手の確保が課題になっており、同社でも現場や工場における将来的な人材確保を見据えた業務の効率化が求められていました。
そこで、人に頼っていた受付業務を見直し、スマート化を目的に「ヒト型協働ロボット」と「顔認証クラウド」を組み合わせた「受付ロボットシステム」を自社で開発・導入しました。
同社の受付ロボットには、顔認証エンジン「AIZE」を採用しています。
受付ロボットシステムでは、ロボットによる顔認証をおこない、自動発信する電話で担当者を呼び出す仕組みを構築しました。顔登録と同時にロボットのハンドカメラで名刺情報を読み取り、情報の一次登録を実施します。
AI受付導入の結果、受付対応のために人を常時配置する必要がなくなり、非接触での来訪対応が可能になりました。マスク・ヘルメットを着用していても可能な顔認証を実現し、来訪者の着脱にかかる手間の軽減にもつながっています。
加えて、この受付ロボットシステムは展示会ブースでも注目を集め、前年比約2倍の名刺を取得できました。「建設系の会社が受付ロボットを開発していること」が先進的な企業というイメージ向上に貢献しており、ブランディングの向上にもつながっています。
AI受付システムを選ぶポイント6選
AI受付システムを導入するためには、自社に合うシステムかどうかを見極めることが重要です。ここからは、AI受付システムを選ぶポイントを以下の6つに分けて詳しく解説します。
- 自社の来客フローに適合しているか
- 今の業務フローに無理なく組み込めるか
- 来訪者が迷わず使える操作性か
- セキュリティと障害時のバックアップ体制が十分か
- 導入後のサポート体制が充実しているか
- 費用体系が明確で、自社規模・導入段階に応じてスモールスタートできるか
1.自社の来客フローに適合しているか
まず、AI受付システムが自社の来客フローに合うかどうかを確認することが重要です。
もし運用に合わないシステムを選んでしまうと、結局担当者が手動対応する状況に逆戻りしてしまいかねません。
たとえば、マスク着用の来客が多い場合、顔認証だと着脱の手間が発生し受付に時間がかかってしまうなど、訪問者の属性によって最適なAI受付システムが変わります。音声・顔認証・タブレット操作など、どの方式ならスムーズに受付できるか、事前に精査しておきましょう。
2.今の業務フローに無理なく組み込めるか
先ほどは来訪者側視点での使いやすさについての説明でしたが、ここでは社内で業務に組み込む際のポイントについて説明します。
現在の受付フローをどこまでAI受付で置き換えられるのかを、事前に確認しておきましょう。
新しいシステムを導入しても、かえってスタッフの負担が増えてしまっては意味がありません。担当者通知・来客管理などの受付後の処理がスムーズか、現行の受付オペレーションとどれだけ置き換えられるかなど、現場の意見をヒアリングしつつ、細かいチェックを実施しましょう。
具体的には、次の業務をAI受付だけでどこまで完結できるかを確認します。
- 来客受付
- 担当者への通知
- 入館履歴の記録
- 来客の案内
あわせて、新しい来客フローを覚える必要があるか、内線番号の管理方法が変わるかなど、社内ルールの変更範囲も確認しておくと安心です。総務・受付・各部署の手順が大きく増えないかどうかも、導入前に整理しておきましょう。
調整事項が多いほど、導入時の現場負担は大きくなってしまいます。
シンプルに組み込めるかどうかが、AI受付を定着させる鍵になります。
3.来訪者が迷わず使える操作性か
操作がわかりづらいAI受付は、結局人によるフォローが必要になり、導入効果を十分に発揮できません。来訪者が迷わず操作できるかどうかは、AI受付を選ぶうえで重要な判断ポイントです。
たとえば、画面に小さな文字や多くのボタンが並んでいると、どこを操作すればよいのか直感的に判断できず、受付に時間がかかってしまいます。
一方、文字だけの案内では、次の操作を考える必要があり、スムーズな受付を妨げる要因になりかねません。
「操作ステップが少なく、流れが一目で分かるフローになっているか」「ボタンや選択肢が視認性の高いサイズ・配置になっているか」など、誰でも直感的に使えるUI/UXかどうかを確認することが重要です。
4.セキュリティと障害時のバックアップ体制が十分か
システム障害によって受付が停止すると、商談や面接など企業活動に欠かせない業務に影響が出てしまいます。万が一の障害発生時に備え、代替の受付フローや復旧体制が用意されているかを事前に確認しておくのは大切なポイントです。
あわせて、個人情報や社内情報を扱うシステムとして、十分なセキュリティ対策が取られているかも確認しておきましょう。
通信・保存時の暗号化やデータの保存場所などが明確になっていれば、情報システム部門への説明や社内調整もスムーズに進められます。
運用リスクを最小限に抑えられる仕組みかどうか、障害時のバックアップ体制とセキュリティ対策の両面から見極める必要があります。
5.導入後のサポート体制が充実しているか
新しいツールの導入時は、設定や運用に関する問い合わせが発生しやすく、現場が混乱しがちです。そのため、導入後のサポート体制はAI受付を選ぶうえで欠かせない判断ポイントになります。
問い合わせ対応や設定支援が手厚いほど、現場の負担は軽減されます。
初期設定や立ち上げ支援が用意されているか、運用開始後のトラブルに迅速に対応できる体制があるかなど、サポート内容と範囲を事前に確認しておきましょう。
また、メールだけでなく、チャットや電話など複数の問い合わせ窓口が用意されていれば、緊急度に応じて適切な手段で問い合わせできます。
スムーズな運用を継続できるかどうかは、サポート体制の充実度に左右されます。
6.費用体系が明確で、自社規模・導入段階に応じてスモールスタートできるか
AI受付を一気に導入すると、現場の対応工数が一時的に増えるケースがあります。
そのため「小さく始めて、運用状況を見ながら段階的に広げられる設計かどうか」を導入前に確認しておくと安心です。
実際にAI受付の導入に成功している企業の多くは、まず一部の受付業務から導入し、現場への負担を抑えながら運用範囲を拡大しています。
加えて、運用範囲ごとに料金体系が明確で、自社の規模や導入段階に合わせて無理なく調整できるかは、選定時に必ず確認しておきたいポイントです。
コスト面では、後から機能追加や拡張ができるかどうかも、長期的な運用を見据えた判断軸になります。
AI受付システムなら「Avatar +plus」がおすすめ!
Avatar +plusは、AIアバターが受付業務を代行できるプロダクトです。
来訪者との会話の中から必要な情報を自動で取得し、そのデータを活用しながら自然な会話を実現します。VRM設定機能を使えば、オリジナルAIアバターも簡単に設置可能。
来訪者との会話フローや案内内容の設定も、専門知識がなくても管理画面から手軽におこなえるため、導入や運用のハードルを抑えられます。
AIアバターを受付画面に表示することで、無人受付にありがちな無機質な印象をやわらげるのも大きな特長のひとつです。
さらに、Avatar +plusは会話内容を記憶できる点が大きな強みです。
複数回来訪した人の情報を引き継ぎ、前回のやり取りを踏まえた対応ができるため、まるで人と話しているかのような自然な受付を提供できます。
セキュリティ面では、通信の暗号化やアクセス制限、ログ管理など、複数の対策を実施。送信されたデータがAIモデルの追加学習に利用されることもなく、安心して生成AIを活用できる環境が整っています。
Avatar +plusについて詳しく知りたい方は、下記のサービスサイトをご覧ください。
AI受付を活用して顧客満足度や業務効率の向上を図ろう!
人手不足や人件費の高騰を背景に、AI受付の導入を検討する企業が増加しています。
AI受付は単に受付を無人化するだけでなく、来客対応業務を最適化しながら、顧客体験と業務効率の両立を実現できる手段として注目を集めています。
導入にあたっては、自社の受付フローとの適合性や操作性、既存システムとの連携、段階的に導入できるかといった視点から総合的に検討することが大切です。
Avatar +plusは、会話を記憶する機能を備え、来訪者一人ひとりに寄り添った対応ができるAI受付システムです。
会話の中から必要な情報を自動で取得し、そのデータを活用することで、人と話しているかのような自然な受付を実施します。
設定もシンプルで、導入後すぐに運用を始められる点も特長です。
受付業務の効率化や人件費の削減、顧客満足度の向上を目指したい方は、ぜひサービスサイトをご覧のうえ、お気軽にご相談ください。








